「薬屋のひとりごと」とは?
「薬屋のひとりごと〜猫猫の後宮謎解き手帳〜」
原作:日向夏(ヒーロー文庫)、キャラクター原案:しのとうこ
コミカライズ版が2種類あるという、めずらしい作品なのですが、私が読んでいるのは、「小学館サンデーGXコミックス、作画:倉田三ノ路」版です。
主な登場人物はこちらですが、まだまだたくさん出てきます。
- 猫猫(マオマオ):誘拐され後宮に売られた薬屋の少女で、今度は壬氏直属の下女に。毒や薬に精通し、探究心も強いが、無愛想。
- 壬氏(ジンシ):後宮を監督する宦官。大変な美形で男女問わず人を魅了するが、内面はけっこう腹黒なところが…?
- 高順(ガオシュン):壬氏の従者を務める宦官。精悍な見た目と違い、何かと気が利くマメな性格で、壬氏の信頼も厚い。
- 玉葉妃(ギョクヨウひ):後宮に4人いる上級妃の1人。皇帝の子を身籠り、鈴鹿公主を生む。
この作品、おもしろいんだよ〜!
絵もキレイで丁寧なの!
ジャンルとしては、ミステリなのかな?
舞台が後宮ってところがいいよね。
現代と違って、トリックが難しすぎない所もオススメ。
名探偵コナンとか、かなり複雑だったりするもんね(笑)
猫猫と壬氏の関係も、要チェックだね!
楽しみ〜!
【薬屋のひとりごと】マンガ1巻ネタバレまとめ、感想
本編前に、ちょっと用語解説するね。
ちなみに東宮を生んだのは、梨花(リファ)妃。
公主を生んだのは、玉葉妃だね。
- 東宮:皇帝の男児で、特に皇太子を指す。
- 公主(ひめ):皇帝の女児。
「薬屋のひとりごと」第1話ネタバレ:猫猫と呪い
薬草を採取していたところ、人さらいに誘拐され、後宮に売られた猫猫。
後宮は、2000人の官女と、1000人の宦官が在籍する女の園。
真面目に仕事をしていれば、2年で年季が明けますが、薬師の仕事ができないことが不満なのでした。
ある日食堂で「東宮も、公主も病気」というウワサを聞く猫猫。
「主上はもう3人も、御子を亡くされている」「皇帝の子の連続不審死は、呪いではないか」
そんな話に、猫猫の好奇心が、うずうずしてしまいます。
中庭を通りかかると、取り乱した梨花妃が、玉葉妃を平手打ちする場面に遭遇します。
「自分が娘を産んだからって、男子の吾子を呪い殺す気だろう!」と怒り狂う梨花妃。
梨花妃の足元がおぼつかない様子、不自然な肌の白さ、噂で聞いた症状などから、猫猫は不審死の原因を特定します。
一ヶ月後、梨花妃の子は亡くなり、玉葉妃の子は、無事持ち直しました。
壬氏に理由を聞かれ、玉葉妃は「この書き付けに従ったら、よくなった」と布の切れ端を見せます。
ある日、猫猫は、宦官長の部屋に呼び出しを受けます。
行ってみると、そこには似たような顔の女性が、たくさん集められていました。
「今日集まってもらったのは、こういう訳でね」と紙に書き、みんなに見せる壬氏。
そこには「そばかすの女、お前は居残りだ」と書かれていました。
「これで解散だ、帰っていいぞ」と言われ、文字が読めない下女たちは、そのまま帰ってしまいます。
慌てて帰ろうとする猫猫ですが、壬氏に見つかり、「君は居残りだよ」と肩を掴まれるのでした。
壬氏にはめられ、読み書きできることが、ばれてしまった猫猫。
玉葉妃の部屋に連れていかれ、妃から「娘の命の恩人」だとお礼を言われます。
病の原因が「おしろい」だとわかった猫猫は、玉葉妃と梨花妃に、匿名の書き付けで忠告をしていたのでした。
鉛には中毒症状があることを話し、後宮での使用を規制するよう、進言する猫猫。
猫猫が「…では私はこれで」と立ち去ろうとすると「恩人をただで帰すわけにはいかないな」と笑顔で引き止められます。
こうして猫猫は、(本人はいやいやながら)出世して、寵姫の侍女となったのでした。
「薬屋のひとりごと」第2話ネタバレ:媚薬
猫猫のイヤそうな顔を思い出し、「あんなナメクジを見るような目で見られたのは、初めてだ…」と笑う壬氏。
一方、猫猫は、玉葉妃と公主の食事の、毒見をしていました。
侍女頭の紅娘(ホンニャン)に「食器は銀製に変えるように」と進言する猫猫。
実は、壬氏に言われて、わざと陶器で出していたのだと聞き「試すようなマネをしやがって」と猫猫はイラッとします。
玉葉妃に呼ばれて行ってみると、そこには壬氏の姿が。
「貰い物で、味見してほしいものがある」と包子(パオズ)を取り出します。
半分に割り、匂いだけで、催淫剤入りだと特定する猫猫。
壬氏から「媚薬を作ってほしい」と依頼され、久しぶりの薬作りに、猫猫は胸が高鳴るのでした。
翌日、壬氏の命令で、猫猫を医局に連れていく高順。
高順に「さま」付けで呼ばれた猫猫は、「位は、高順さまの方が上なので」と伝えると、「小猫(シャオマオ)」と呼ばれるように。
医局に入り、薬棚を見渡して、一気にテンションがあがる猫猫。
壬氏に必要な材料を要求し、媚薬として「チョコレート」をつくります。
余った分を、パンにしみ込ませて、自分の夜食用に置いておいた猫猫。
猫猫が離れた隙に、侍女たちがこっそり、そのパンを食べてしまい、媚薬としての効果を証明することに。
完成した媚薬チョコを、壬氏に渡した猫猫は、パンがひとつ減っていることに気づきます。
壬氏は部屋で、チョコレートの染み込んだパンを持ちながら「あの薬屋、思った以上に使える」とつぶやくのでした。
「薬屋のひとりごと」第3話ネタバレ:月下の芙蓉
半月前、辺境の地で野営していたところ、突然、体調を崩す兵士たち。
「食糧に毒が!?」と疑った兵士は、調達した村の長を捕らえ、逆らった村人をその場で処刑してしまいます。
その話を玉葉妃にした後、「お前はどう思う?」と猫猫に話を振る壬氏。
猫猫は、後宮内でも毒性を持つ草木はあるのだと説明し、「生木を燃やすと、毒を発するものもある」と説明します。
数日後、「東の城壁の上に出る、幽霊の話」を聞く猫猫。
堅物の武官が望んだことで、後宮の妃が下賜されることも耳にします。
「まるで媚薬でも盛られたんじゃないかって噂で」と聞き、「あのチョコレート、何に使うか聞いてなかったな」と考える猫猫。
猫猫が医局にいくと、待ち伏せていた壬氏に「夢遊病って知ってるかい?」と聞かれます。
「私の専門は薬ですよ」というものの、壬氏からの無言の圧力に負けて、「やるだけやってみます…」としぶしぶ了承するのでした。
深夜、高順に連れられて、現場を見にいく猫猫。
そこには、中級妃である「芙蓉妃」が城壁の上で、舞を踊っていました。
2年前に輿入れしたものの、主上の通いもなく、下賜が決まっていた芙蓉妃。
下賜を望んだ武官とは、同郷の幼なじみだったと聞き、「もしかしたら」と猫猫は考えます。
翌日、後宮を出ていく芙蓉妃の見送りをする、玉葉妃や猫猫たち。
芙蓉妃の、幸せそうな様子を見た玉葉妃は「私には、本当のことを教えて」と猫猫に頼みます。
推測ですが…と断りながら、説明する猫猫。
芙蓉妃は、主上のお手つきを避けるため、舞踊を失敗して、わざと引きこもったのではないか。
目論見通り、身ぎれいなまま、下賜が決まったけど、臣下に望まれた妃に、主上が興味を持たれるかもしれない。
そこで芙蓉妃は、夢遊病のふりをしたのではないか、と話します。
「芙蓉妃がうらやましい…なんて言ったら、ひどい女かしら?」と話す玉葉妃に「そんなことないと思います」と答える猫猫。
芙蓉妃と武官の関係を知り、今回のことを取り計らえる奴がいたとしたら…と壬氏を見つめます。
少しのち、皇帝の元で話をする壬氏。
梨花妃の容態を聞いた後、皇帝は「どれ、噂の薬屋とやらに会ってみるか」と言うのでした。
「薬屋のひとりごと」第4話ネタバレ:勅命
後宮で、木簡を燃やして「…青紫…」とつぶやく女性のシルエットが。
ところ変わって、後宮の医局で、七輪で焼いた松茸を堪能する、猫猫とやぶ医者。
猫猫はなんだかんだ、後宮の医師と、仲良くなっていたのでした。
そこへ「呪いを解く薬を作ってほしい」と駆け込んできた宦官が。
一昨日、木簡をくるんだ焦げた女の服を見つけて、火にくべると、見たことのない色の炎が噴き上がり、手がかぶれた、と話します。
話を聞き、「例えばこんな色じゃありませんでした?」と黄色い炎を再現して見せる猫猫。
火にかけると、炎の色が変わるものがあるのだ、と説明します。
「お見事」と入り口で聞いていた壬氏がほめますが、猫猫はいつものげんなり顔。
「さるお方が翡翠宮でお待ちだ」と連れて行かれると、そこで待っていたのは皇帝でした。
皇帝から「水晶宮に行き、梨花妃を診てほしい」と言われ、治せなかったら首が飛ぶ、と猫猫は覚悟を決めます。
猫猫が匿名で忠告したときも、おしろいを使い続けていた梨花妃。
鉛白入りのおしろいは規制したか、壬氏に確認すると、「当然だろう」という返事が。
主上と初めて話した感想を聞かれ、「皇帝は豊満な女性が好み」と話すと「先帝の反動かな」と答える壬氏。
先帝は幼女趣味で、当時の皇后も、主上を生むには体が小さすぎて、腹を割くしかなかった、という話を聞きます。
その後、壬氏は「ここ数日で、腕の火傷を負った者を探せ」と高順に命じます。
一方、梨花妃の看病のため、水晶宮に行った猫猫ですが、せっかく作った食事を侍女にひっくり返されてしまうのでした…!
「薬屋のひとりごと」第5話ネタバレ:看病
侍女に「こんな下賤の食べ物を、梨花さまに食べさせるつもり!?」と雑穀粥をひっくり返された猫猫。
主上に「診ろ」と言われた猫猫は、治せなかったら首が飛ぶ状況。
水晶宮は、10人以上の侍女が仕えていて、統率はとれているが、玉葉妃の侍女たちのような甲斐甲斐しさはありません。
そして、誰ひとり、病に対する知識がないのでした。
病人への食事なのに、こってりして消化の悪い、豚の角煮などを出そうとする侍女たちに、猫猫は呆れてしまいます。
壬氏の取りなしで、なんとか梨花妃を、診察できることになった猫猫。
顔の粉っぽい感触にハッとして、引き出しを調べると、そこには没収したはずのおしろいが。
「梨花さまに、病床であっても、おきれいでいてもらって、何が悪いの」と開き直る侍女を、思いっきり平手打ちします。
突然のことに青ざめる侍女に「なんでこのおしろいが禁止されたと思ってる!毒だっつってんだろ!!」と激怒する猫猫。
怯える侍女たちに、部屋の換気を命じ、食事も自分が作ると宣言します。
症状の重い梨花妃に、重湯を食べさせながら、「蒸気風呂(サウナ)」を作ってほしいと壬氏に依頼する猫猫。
看病されながら、梨花妃は「どうして、死なせてくれないの…」と涙を流します。
「梨花さまは生きたがっておられます」「生きたがっている者を支えるのが、薬屋の仕事ですから」と伝える猫猫。
二ヶ月後、だいぶ顔色もよくなった梨花妃は「世話になりました」と猫猫にお礼を伝えます。
「私にはもう、子はなせないのかしら?」と聞く梨花妃に「それは私には…お試しになったら?」と答える猫猫。
ところが、梨花妃は「玉葉妃には勝ち目がない」とすっかり自信をなくしています。
「あれだけ痩せても、主上のお好きなご立派なものが、健在ではないですか」と大きな胸をほめ、花街の妓女から教わった「使い方」を伝授する猫猫。
数日後、翡翠宮に戻った猫猫。
玉葉妃から「ここ最近、主上がよく水晶宮に通ってらっしゃるようだけど、なんでかしら?」と聞かれ、ギクッとします。
「さ、さあ?」と誤魔化しつつ、自分にはできない技でも、聞いておくもんだな、と考える猫猫。
一方、火傷した女官探しが、難航している壬氏と高順。
近々行われる園遊会を思い、焦りを覚えるのでした…!
アラサーママchiharuが読んでみての感想
チョコレートって、媚薬なんだね…!?
初耳なんだけど…!!
でも慣れてる人には効果がないんだって!
現代人、みんなチョコ食べてるからなあ。
高順が読んでた「小猫(シャオマオ)」という呼び方は、ちゃん付けされてる感じなんだって。
「猫(マオ)ちゃん」って感じかあ。
中国語ならではのニュアンスが分かると、おもしろいね!
「薬屋のひとりごと」のおもしろさに、1巻で見事にハマりました!
おしろいの鉛毒被害は、日本でもあったんですよね。
武家の跡継ぎがよく早世してたのも、おしろいのせいじゃないかって説もあるくらい。
侍女たちの見当違いな看病もそうだし、知らないってホントに怖いなあと思います…!
「チョコレートが媚薬」っていうのもびっくりで、スーパー、コンビニでめっちゃ売られてますけど!っていうね(笑)
ただ、もう慣れちゃってるから効果ないんでしょうね。
現代なら当たり前なことばかりだけど、改めて指摘されるとおもしろいですよね。
引き続き、楽しみな作品です!